2008.10.29 log
認識コア
アートのすごいイベント10月29日 18:00- @武蔵小金井アートランド
1000円 (1drink付)
出演:
大塚聰(画家)
川染喜弘(究極の芸術家)
*
詩にも商品にもなりえず花園からも市場からも逃れえた表現は認識において認識に照準する。ロマンチックな評論やペダンチックな戦略の言葉の中心には権威の喰いカスしか残されていない。いつまでも「{【[《“<(『……「{【[《“<(『芸術≒ART≒美術』)>”》]】}」……』)>”》]】}」の薄皮を剥きつづける消費労働に飽きたなら、そろそろ認識という核に向かう頃合いだ。
「考えるな、感じろ」的な姿勢が作品をむやみやたらに消費している状況を省み、「まず考えなおせ、それから感じろ」という姿勢を余儀なくされる認識ハック系の作家ふたりに感覚の再コード化を挑発するエネルギーを期待し、ハードコア集会「認識コア」を2008年10月29日に開催。
出演者は大塚聰(画家)・川染喜弘(究極の芸術家)のふたり。大塚は今日に至るまでの絵画作品の紹介ののち、着崩れラップ「パッチホップ」を実演。川染は2007年以来ゆらぐことなく繰り返し行っている「究極の芸術」のプレゼンテーション・ライブを遂行。
東小金井アートランドは自由に寝転がることができるよう床にカーペットが敷かれたリラックスした会場で、寝てるやつもいた。また、チキンのピリ辛トマトクリーム煮込み・雑穀ライス・豆腐のオクラ和えサラダというカフェ飯セットを安価に提供。
準備体操としてスライド上映された「ポスコロモンスター」。ポケモンに言葉を喋らせることのできる伝説のポケモン・ゲンゴーを探しにいく話。こどもでもわかるポストコロニアリズム入門教材として松下が制作。
大塚聰の存在しない存在の絵画。
この昆虫は存在しない。
これは昆虫ではない。
しかし「これは昆虫ではない」ではない。
かつてマグリットが自己言及の回路を開くことで露呈した絵画世界の自律性を、大塚は自己言及の回路を閉じることで再び秘匿する。この秘匿された自律性のなかで創られるオリジナルなきオリジナルの世界は、同様に自律性を秘匿したオリジナルなきコピーの体系化された世界に静かな抗争を仕掛ける。
川染喜弘は言葉によって認識を直接操作する。
一、川染喜弘は究極の芸術家である。
二、川染喜弘のすべてが究極の芸術である。
川染のパフォーマンスは常にこのふたつの宣言から始まり、芸術が所与のコンテクストに拘束されるのではなく、芸術それ自体がコンテクストを規定することを確認させる。そうすることで可能になる途方もない認識の地平をあらゆる発想と行動を駆使して実践的に証明しながら、川染は芸術の可能性そのものを体現する。